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税務コラム

【初心者】年末調整の仕組みから控除活用までわかりやすく解説

この記事の概要

年末調整の基礎知識から具体的な手続き、控除の活用法まで完全網羅。確定申告との違いや注意点も解説。初心者でもわかりやすい保存版ガイド。

🔴 【重要】本記事は2024年11月時点の制度に基づく内容です
本記事は2024年11月に執筆したもので、当時の制度(令和6年分の所得税)を前提に解説しています。
その後、令和7年度税制改正により所得税の基礎控除・給与所得控除などが見直され、令和7年(2025年)分以後の所得税について適用されています(改正法の施行日は令和7年12月1日で、令和7年12月に行う年末調整から反映されています)。

現在は、次のとおり取扱いが変わっています。

1. 基礎控除の引上げと特例加算
基礎控除額が48万円から58万円に引き上げられました。さらに、合計所得金額が655万円以下の方には特例による加算があり、合計所得金額に応じて次の金額となります。
・132万円以下:95万円
・132万円超336万円以下:88万円
・336万円超489万円以下:68万円
・489万円超655万円以下:63万円
・655万円超2,350万円以下:58万円
※ 合計所得金額132万円超655万円以下の区分の加算額は令和7年分・令和8年分の措置で、令和9年分以後は58万円となります。
※ 合計所得金額が2,350万円を超える場合の基礎控除額に変更はありません。

2. 給与所得控除の最低保障額の引上げ
給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。

3. 扶養親族等の所得要件の引上げ
扶養親族および同一生計配偶者の合計所得金額の要件が、48万円以下から58万円以下になりました。あわせて、ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の要件が58万円以下に、勤労学生の合計所得金額の要件が75万円以下から85万円以下になりました。

4. 特定親族特別控除の創設
生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者および白色事業専従者を除きます)で、合計所得金額が58万円超123万円以下の方がいる場合に、その方の合計所得金額に応じて最高63万円を控除する「特定親族特別控除」が新設されました。年末調整で適用を受けるには「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。

以下の本文中の金額は執筆当時のものです。現在の取扱いについては上記および国税庁ホームページをご確認いただくか、当法人までお問い合わせください。

概要

年末調整は、会社員(給与所得者)の納付する所得税を調整するために必要な手続きのことです。本コラムでは、年末調整の概要から、確定申告との違い、具体的な流れやポイント、控除の活用法まで詳しく解説します。

年末調整とは

年末調整とは、給与所得者が1年間に支払うべき所得税を計算して、源泉徴収(※)にて毎月給与から天引きされていた金額に対して、過不足を調整するための手続きです。

※源泉徴収

会社員やアルバイトなど、給与所得者は毎月の給与から「源泉徴収」という形で概算の所得税が天引きされています。源泉徴収は、雇用者(給与支払者)が従業員の毎月の給与から所得税をあらかじめ徴収して納付する制度となります。

なぜ納付した所得税額の過不足が発生するのか?

納付する所得税の金額は、通常その年の1月1日から12月31日までの所得額に基づいて計算されます。しかし、年初にはその年の最終的な給与額や控除額が分からないため、毎月源泉徴収で天引きされている金額は、あくまで概算の所得税額となります。そのため、年間を通して源泉徴収された所得税額と、年末に確定した実際の所得税額に差が生じることがあり、この差額を調整するのが「年末調整」です。もし、実際に納付すべき税額よりも多く源泉徴収されていれば税金が還付され、逆に少なければ追加で徴収されることになります。

このように、年末調整は、1年間の所得税を正確に算出し、給与所得者が適切な税額を負担するために必要な手続きとなっております。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は同じような時期に行われ、納税する金額を計算するという点で、似たような点が多く、比較されやすい手続きとなっております。その内容や対象者など、具体的な違いを比較しながら見ていきましょう。

年末調整確定申告
対象給与所得者が主な対象です。具体的には、会社員や公務員、アルバイト、パートなど、会社から給与を受け取っている人です。主に自営業者やフリーランスの方が対象ですが、給与所得者であっても以下の条件に当てはまる場合は確定申告が必要です。
・年収が2,000万円を超える人
・副収入がある人(20万円を超える場合)
・年末調整で対応できない控除を受けたい人
 (医療費控除、住宅ローン控除など)
・年末調整でカバーされない控除や所得がある人
期日その年の10月頃から翌年1月翌年の2月16日から3月15日
対応勤務先の会社で行います。従業員は会社に必要書類を提出し、経理部門などが手続きを進めます。納税者が自ら(または税理士)税務署に申告書を提出します。現在では電子申告(e-Tax)も利用可能で、自宅のパソコンやスマートフォンから手続きができるようになっています。
内容年間の給与に対して支払うべき所得税額を会社が計算し、過不足を調整する手続きです。年間の総所得をもとに、納税者自ら(または税理士)が税額を計算し、税務署に申告する手続きです。年末調整ではカバーできない収入や控除を含め、最終的な税額を確定させます。

年末調整の流れ

step.1 必要書類の準備

主な必要書類は以下の通りです。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書
⚠️ 【現在は】令和7年分から申告書の様式が変わりました
令和7年分から、上記の「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」は、特定親族特別控除の欄が加わり、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という様式に変わっています。19歳以上23歳未満で合計所得金額が58万円超123万円以下の親族について控除を受ける場合は、この申告書に必要事項を記載して勤務先へ提出してください。

以下のような書類についても、適用する控除によっては必要になります。

  • 年末残高証明書(2年目以降の住宅ローン控除受ける場合)
  • 生命保険料控除証明書
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金控除証明書
  • 配偶者の源泉徴収票や収入証明 etc

step2. 申告書の記入

扶養家族の情報や保険料、住宅ローン控除の情報など必要事項を記入します。

step.3 会社への提出

記入が終わった申告書を会社に提出します。

step.4 精算結果の通知

結果が通知され、還付金や追加徴収の金額が明示されます。また還付金は、早ければ12月、通常は翌年1月から2月に支給されることが多いです。

年末調整の注意点

年末調整をスムーズに進めるために、以下のポイントを確認しておきましょう。

1. 年間所得の見積もり

自分の年間収入を把握し、必要書類の確認を行いましょう。

2. 控除の対象確認

基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除などが該当するか確認します。

3. 必要書類の早期準備

書類を早めに揃え、手続きに遅れが出ないようにしましょう。

主な控除の種類

年末調整では、税負担を軽減するための各種控除の適用が可能です。

基礎控除すべての納税者に適用され、48万円が控除されます
また48万円が控除されますが、所得が2,400万円を超えてしまうと
基礎控除額は段階的に減らされ、2,500万円を超えると
控除額は0円となります。
配偶者控除配偶者の所得が48万円以下の場合、38万円の控除が受けられます
また、納税者の合計所得金額により控除額が変動します
配偶者特別控除配偶者の所得が48万円超133万円以下の間にある場合
所得に応じて控除額が変動します。
また、納税者の合計所得金額により控除額が変動します。
扶養控除扶養親族の合計所得が48万円以下であれば、控除が受けられます
※扶養人数にて控除額が異なります
生命保険料控除生命保険等に支払った保険料に対し、最大12万円の控除が受けられます
社会保険料控除支払った健康保険や年金保険料が全額控除される
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済や確定拠出年金の掛金全額が控除対象となる
⚠️ 【現在は】上の表の金額は2024年11月(令和6年分)時点のものです
上の表は執筆当時の金額です。令和7年分以後の所得税では、次のとおりとなっています。

・基礎控除:48万円 → 58万円。加えて、令和7年分・令和8年分は合計所得金額655万円以下の方について特例加算があり、最高95万円となります。なお、合計所得金額が2,400万円を超えると段階的に減額され、2,500万円を超えると0円となる点は変わりません。
・配偶者控除:配偶者の合計所得金額の要件が48万円以下 → 58万円以下(控除額38万円、および納税者本人の合計所得金額に応じて控除額が変動する点は変わりません)。
・配偶者特別控除:配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下 → 58万円超133万円以下。
・扶養控除:扶養親族の合計所得金額の要件が48万円以下 → 58万円以下。
・特定親族特別控除(新設):生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の方がいる場合、その方の合計所得金額に応じて最高63万円が控除されます。
・給与所得控除:最低保障額が55万円 → 65万円。

これらは令和7年分以後の所得税について適用され、令和7年12月に行う年末調整から反映されています。生命保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除については、上の表の内容から変更はありません。
📌 ★税理士からのワンポイントアドバイス
配偶者控除/配偶者特別控除については合計所得金額が1,000万円を超える場合、給与所得のみ(※1)だと子育て・介護世帯は年収1,210万円超、それ以外の世帯は年収1,195万円超)、配偶者控除は受けられません。

※1:給与等の収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族を有する場合等は、給与所得控除が最大15万円増えます(所得金額調整控除)

また医療費控除を受ける場合(医療費が10万円超又は総所得の5%超)や住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)を初年度に受ける場合、かつ、ふるさと納税をした場合は確定申告が必要となります。

このコラムを通じて、年末調整の仕組みや確定申告との違いを把握し、手続きをスムーズに進めていただければと思います。わからない点や不安な部分があれば、専門家に相談して適切な対応を心がけてください。

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💡 専門家による監修
本ガイドは、記事の内容に関する広範な知識と実務経験を持つ専門家によって監修されています。監修にあたっては、記事の公開時点で施行されている法令等に照らして内容を確認しています。ただし、税務の取扱いは、その後の法令改正や個々の事実関係によって結論が異なる場合があります。実際のご判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。監修を担当された専門家の情報は以下の通りです。ご興味がある方は、さらなる情報や個別のご相談について、直接お問い合わせいただければと思います。

監修:橋本 隆
茨城県日立市出身。札幌観光大使。中小零細企業の資金調達および事業承継に強い税理士。2003年税理士試験合格。千葉県内の税理士事務所勤務を経て2007年4月BAMCグループに参画。千葉支店長、札幌支店長を歴任。2020年4月税理士法人BAMC代表社員に就任。金融機関、生命保険会社からの依頼で年間100本のセミナーを行う人気講師でもある。
⚠ 免責事項
※当記事は税理士などの専門家の監修の下、細心の注意を払って作成しておりますが、万が一内容に不備があり、読者に不利益や損害が生じた場合でも、税理士法人BAMCの故意または重大な過失による場合を除き、責任を負いかねますのでご了承ください。記事に関するご指摘は、大変恐縮ですが、当事務所の「お問い合わせ」からご連絡ください。ただし、記事に関するご質問は回答出来ませんので、あらかじめご理解のほどお願い申し上げます。

著者:BAMC 新井 / 記事作成日:2024.10.30

橋本 隆
監修税理士法人BAMC 代表社員・税理士 橋本 隆記事の内容は、公開時点で施行されている法令等に照らして確認しています。
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